味方

1週間か2週間に1度、
うちの猫をシャンプーする。
担当は家内と長男である。
シャンプーが嫌いな猫は、
準備を始めるや異変を察知して、
警戒モードに入る。
そこを家内に拉致され、
風呂場に連れていかれると、
「うおー」
という叫び声をあげながら、
シャンプーされて出てくる。
濡れて細くなった体をしきりに舐め、
部屋の隅に避難する。
そして落ち着くと、
私の近くに寄って来て横になる。
普段猫が一番なついているのが家内であり、
私はどちらかというと猫に敬遠されているほうだ。
ところがシャンプーのあとに限り、
猫は私になついてくる。
おそらくシャンプー係の家内と長男を敵とみなし、
この時ばかりは私を味方だと思っているのである。