万年東一

宮崎学「万年東一」を読んだ。

子供の頃、
駅に貼ってある映画広告のポスターに、
よく「愚連隊」の文字があった。
何のことかよくわからなかったが、
この万年東一がその走りであり、
1980年代まで生きていたとは知らなかった。
戦前からケンカの強さで知られ、
戦時中には上海に行っているらしい。
また軍隊時代には、
鉄拳制裁が当たり前の軍にあって、
上官が恐れてまったく殴られなかったともいう。
この小説では、
殆どの登場人物が実名で書かれ、
そのほかもかなり実名に近い名前にしてあるので、
特に日本の戦争前後の歴史を知ることもできる。
この作家もその世界で有名な人だが、
万年東一自身と関わりがあったらしい。
型破りな日本人を知ることができる面白い小説であった。