日の名残り

カズオ・イシグロ日の名残り」を読んだ。

日の名残り (ハヤカワepi文庫)

日の名残り (ハヤカワepi文庫)

2人の生徒さんから薦められた小説である。
イギリスの執事についての話である。
アメリカ人の主人の帰郷に伴い、
かつての同僚であった女中頭に会いに行く。
その旅行の模様が、
美しいイギリスの景色の描写や
かつての執事としての思い出とともに語られる。
最初は地味で辛気臭い感じもしたが、
いつの間にか引き込まれていく。
美しい風景描写、
執事としての誇りと矜持、
女中頭との淡い恋愛感情。
淡々とした語り口でありながら、
静かで強い印象を残し、
読み終わった後にじんわり感動する。
とても不思議でいい小説である。