サラバ!

西加奈子の「サラバ!」を読んだ。

サラバ! (上)

サラバ! (上)

評判を聞いて、
ずっと読みたいと思っていた小説だった。
果たして圧倒的な迫力であった。
主人公の男とその家族、
さらに友人関係を中心に描かれる話は、
ある意味どこかにあるかもしれない、
ごく普通の家族の物語かもしれない。
それでいて波乱万丈で、
「この主人公と家族はどうなるのか」
という気持ちから、
まるでミステリ作品を読むように、
一気に読んでしまった。
おそらくかなりの部分、
作家自身の経験と重なるのだろうが、
その事実と内面が赤裸々に描かれ、
怒涛の勢いとリアルさが迫ってくる。
特に、
大切な友人たちとの交流には胸を打たれる。
読み応えのある素晴らしい小説だった。