屍鬼

小野不由美屍鬼」を読んだ。

屍鬼(一) (新潮文庫)

屍鬼(一) (新潮文庫)

題名の通り、
屍が人を襲う恐怖小説である。
山奥の閉鎖的な集落で、
外から引っ越してきた一族が、
徐々に村人を追い詰めていく様は怖い。
前に読んだ「残穢」もそうだったが、
残穢(ざんえ) (新潮文庫)

残穢(ざんえ) (新潮文庫)

小野不由美作品は、
リアルな日常的な描写で、
じわじわと恐怖が襲ってくる感じが、
何とも言えない恐怖を増幅させる。
ただ文が長いのと、
死人が次々と出て来るのに、
何の手も打てない環境に苛立ちを覚える。
それも恐怖を掻き立てる手法だろうし、
後半の戦いの場面において、
ある種カタルシス的なものを感じるための布石なのだろう、
とも思えるのだが、
それにしても私のような「いらち」には、
途中は少々読むのが辛い小説であった。