シャトゥーン

増田俊也「シャトゥーン」を読んだ。

シャトゥーン―ヒグマの森

シャトゥーン―ヒグマの森

シャトゥーンとは、
「穴持たず」のヒグマの意味で、
冬籠りをせず人を襲うという。
冬の北海道の山奥の小屋にいた数人が、
「穴持たず」のヒグマに襲われ、
危機を脱するまでを描いている。
体重350キロの巨大なヒグマの恐ろしさが、
臨場感たっぷりに表現されているので、
つくづく「北海道の山奥にいなくてよかった」、
と思わせられる怖さを感じる。
特にクマが人を食う描写はリアルですごい。
またヒグマには「止め足」といって、
自分の足跡通りに後退して茂みに隠れ、
背後から来る敵を襲うなど頭もいい面もあるようだ。
この作家は以前に読んでブログにも書いた、
http://d.hatena.ne.jp/tanglou/20131005
「七帝柔道記」や、
木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか
を書いた人である。
七帝柔道記

七帝柔道記

木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか

木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか

いずれも話題作で面白い作品である。