夜のバス

一昨日の晩、
仕事を終えた夜9時過ぎ、
仕事場を出ると目の前の道路を、
路線バスがゆっくり通り過ぎて行った。
その時、
夜の街を走るバスに乗りたくなった。
普段仕事においてバスに乗ることはない。
しかしバスを見て、
突然以前の感覚がよみがえったのだ。
まだ子供が生まれて間もない頃、
仕事が終わって家に帰るときに、
バスに乗って夜の街を見ながら帰ることが、
毎週あった。
その時の仕事を終えたホッとした気持ち、
そして家で待ってくれている家内と、
まだ小さい子供の顔を見られる嬉しさ、
夜の街に散らばる多くの照明の美しさ、
そうしたものが一気に眼前に浮かんだのである。
結局普段通り電車に乗って帰ったが、
いずれ時間があるときに、
その感覚を味わうためだけに、
バスに乗ってみたいと思っている。