世界の果ての通学路

久しぶりに感動する映画を見た。
「世界の果ての通学路」である。

フランスの映画だが、
4つの国の10歳前後の子供が、
長い距離を通学する様子を、
撮影したドキュメンタリー作品である。
ケニアの兄妹は15キロの通学路を2時間かけて通う。
通学途中にゾウに襲われて死ぬ子供がいるケニアでは、
毎日命がけの通学である。
そしてこの兄妹がほぼ小走りでこの距離を行くのは驚きだ。
ケニアでマラソン選手の層が厚いのも頷ける。
ロッコの女の子は22キロの距離を、
寄宿学校まで友人2人と4時間かけて通う。
小さいのに女子への教育を説く姿勢と行動力に驚く。
アルゼンチンの兄妹は、
18キロの距離を馬に乗って1時間半かけて通う。
そしてインドの3兄弟は、
4キロの通学路を1時間半かけて通うが、
未熟児で生まれた兄は車椅子に乗っている。
それを2人の弟が運んで行くのだ。
兄弟がにぎやかに進んでいく様は微笑ましいし、
途中で助けてくれる大人や、
学校に着いてからは争うように面倒を見てくれる級友。
そして将来医師になって、
自分のような子供を歩けるようにしてあげたい、
と語る障害を持つ兄の言葉に胸を打たれる。
便利になり過ぎて教育のありがたみが薄れた日本と、
何という違いだろう。
学ぶということの意味を、
しみじみ感じさせてくれるとてもいい映画である。
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