微妙な違い

昨日の専門学校の授業で、
留学生の生徒の翻訳文に、
「少なくとも」と書くべきところが、
「せめて」になっていたので修正すると、
「これは同じ意味じゃないんですか?」
と学生が質問してきた。
かなり意味が重なる部分があるが、
しかしどうしても異なる部分もある。
といっても、
私もそれをうまく説明できないので、
しばらく待ってもらった後で、
調べて回答した。
「少なくとも」は最低限度の値や行為に使う、
そしてそれより多い事や大きい事を想定している。
一方で「せめて」は、
最低限度の期待や願いが込められている。
その後いくつか例文を挙げて説明し、
納得してもらったが、
両方使える文もかなり多く、
へたな例文を挙げられないが、
「家から学校まで少なくとも5キロある。」
とは言えても、
「家から学校までせめて5キロある」とは言えず、
「家から学校までがせめて5キロだったらなあ」だったら、
言うことが出来る。
このように、
留学生はこちらが予想もしない質問をしてくるので、
油断できないものの、
こちらとしても面白く有益である。