- 作者: 司馬遼太郎
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1984/09/27
- メディア: 文庫
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これは秦末期の田横の話だったが、
劉邦や項羽も登場して、
それで改めて読みたくなったのである。
「香乱記」の劉邦はかなり辛辣に描かれている。
司馬作品では、
無能で野卑ではあるが、
素直で懐の広い劉邦像が描かれていて、
これはこれで魅力がある。
項羽はまさに武神という感じであるのは共通するが、
司馬作品の項羽の最後の場面は、
漢文で習った「虞や虞や汝を如何せん」であるが、
悲しみが胸に迫ってくるものがある。
司馬作品は人物の背景描写や薀蓄も多いが、
上中下3巻ずっと読み続けられる面白さであった。