項羽と劉邦

司馬遼太郎項羽と劉邦」を読んだ。

項羽と劉邦(上) (新潮文庫)

項羽と劉邦(上) (新潮文庫)

少し前に宮城谷昌光の「香乱記」を読んだ。
http://d.hatena.ne.jp/tanglou/20150521
これは秦末期の田横の話だったが、
劉邦項羽も登場して、
それで改めて読みたくなったのである。
「香乱記」の劉邦はかなり辛辣に描かれている。
司馬作品では、
無能で野卑ではあるが、
素直で懐の広い劉邦像が描かれていて、
これはこれで魅力がある。
項羽はまさに武神という感じであるのは共通するが、
司馬作品の項羽の最後の場面は、
漢文で習った「虞や虞や汝を如何せん」であるが、
悲しみが胸に迫ってくるものがある。
司馬作品は人物の背景描写や薀蓄も多いが、
上中下3巻ずっと読み続けられる面白さであった。