旧怪談

京極夏彦「旧怪談」を読んだ。

旧(ふるい)怪談―耳袋より (幽ブックス)

旧(ふるい)怪談―耳袋より (幽ブックス)

京極作品を読むのは初めてである。
サブタイトルは「耳袋より」とある。
これは面白い作品である。
「耳袋」とは正式には「耳嚢」で、
江戸時代のいろいろな話を集めた本である。
その中で怪談部分について、
現代表現にして、
若干の創作を加えているのがこの作品なのである。
登場人物は江戸時代の人なのに、
UさんとかNさんという名前で、
武士や旅芝居の役者やらが登場し、
現代語で話す。
それが妙にリアルで臨場感があって、
読みやすくイメージしやすい。
怪談の内容そのものも、
昨今流行の怪談パターンと異なり、
オリジナリティがあって興味深い。