Sの継承

堂場瞬一「Sの継承」を読んだ。

Sの継承

Sの継承

「警察もの」というより「テロもの」だろうか。
戦後間もない時期に、
革命の武器として造られた毒ガスを、
革命思想に共鳴した現代が若者が手に入れる。
彼がネットを利用して、
国家転覆を狙うという話である。
一貫して緊迫感みなぎる展開で、
結構長い小説だが、
とても面白くて一気に読了した。
私はこれまで、
右翼の人にも左翼の人にも会ったことがあるが、
一様にそうした思想を持っているだけで、
何か事を起こそうというような人はいなかった。
態勢に従順な日本人にとっては、
革命というのは、
現代においては特に絵空事のように思える。
この小説を読んでいて、
そうした人たちの事を思い出した。