不思議のひと触れ

シオドア・スタージョン「不思議のひと触れ」を読んだ。

何となく図書館で手に取った本である。
SFというかホラーというか幻想文学である。
短編ばかり10作品が収められていて、
いずれも面白い。
私にとっては、
スティーブン・キングより読みやすかった。
「もうひとりのシーリア」は、
まるで「聊斎志異」の「画皮」を思わせる、
ホラーというかSFだが、少し物悲しい。
願いをかなえる神様が出てくる、
妙に面白い「裏庭の神様」。
虐待する義理の母親に復讐する「影よ、影よ、影の国」。
子供の異様な経験を描く「タンディの物語」など。
日常的な家庭風景が超自然のものへ変化する作品は、
特に読み始めると引き込まれる力がある。
偶然ながら面白い小説に出会うことが出来た。