きつねのはなし

森見登美彦「きつねのはなし」を読んだ。

きつねのはなし

きつねのはなし

4つの短編からなる怪談集である。
それぞれ独立した短編だと思って読んでいたが、
「芳蓮堂」、「きつね面」、「小動物」など、
共通するものが登場し、つながっている。
怪談であるから薄気味悪いのだが、
残虐で汚い感じはなく、
文のせいかむしろ情景がきれいな感じさえする。
やはり京都を舞台にした作品である。
ここのところ森見作品ばかり続くが、
この人の描く世界が私の嗜好に合うのだ。
さらにいくつかこの作家の作品を読もうと思っている。