聖なる怠け者の冒険

森見登美彦「聖なる怠け者の冒険」を読んだ。

聖なる怠け者の冒険

聖なる怠け者の冒険

もともと中国語の教材に、
出版社の宣伝しおりが入っていて、
その中に簡単なストーリー紹介がされていたのが、
この作品である。
京都のある研究所で働く主人公が、
親切な怪人「ぽんぽこ仮面」に、
自分の跡を継ぐように言われ、
それを巡るドタバタを描くファンタジーである。
ストーリーそのものより、
京都を舞台にしたのんびりした世界観がいい。
実在する有名レストランや、
私が浪人時代から、
京都に行くとたびたび入る喫茶店まで出てくるのには驚く。
文章もあちこちで笑いを誘う仕掛けがあって楽しい。
読み終わった後、
何かほんわかするいい小説であった。