オイアウエ漂流記

萩原浩「オイアウエ漂流記」を読んだ。

オイアウエ漂流記

オイアウエ漂流記

その名の通り、無人島漂流物である。
ロビンソン・クルーソー」に始まり、
完訳ロビンソン・クルーソー (中公文庫)

完訳ロビンソン・クルーソー (中公文庫)

十五少年漂流記」など、
十五少年漂流記 (新潮文庫)

十五少年漂流記 (新潮文庫)

この手のものはいくつか読んだことがある。
異なるのは現代の日本人が主人公にした、
大人向けの小説であることだ。
現代日本人であるだけに、
極限状態での人間そのものが、
そのギャップと共にリアルに感じられる。
実際ここまで極端でなくても、
辺境地域への旅行などでも、
そうした人間の本質が問われる例は、
私の身近にもいくつか聞いたことがある。
この作品では食べるため生きるために、
人間がしなければならないことが、
詳細かつリアルに描かれる。
小説の終わり方も安直でなくていい。
ちょっと口直しになった小説であった。