仮借なき明日

佐々木讓「仮借なき明日」を読んだ。

仮借なき明日 (集英社文庫)

仮借なき明日 (集英社文庫)

大手農機具メーカーに勤める主人公が、
フィリピン支社工場の異常に高い不良率の原因を探る、
という役員から依頼された任務に従い、
現地で調査を行い解決していくという話である。
役員直轄経営企画室に籍を置く主人公は、
人と和していけるタイプではないが、
頭が切れて読みが的確なため評価を得ている。
マルコス時代の現地有力者やマフィアと癒着した、
現地工場支配人たちの矛盾を暴く。
一会社員に過ぎない主人公だが、
タフで歯に衣着せぬ言動が痛快である。
一気に読んでしまう面白い小説であった。