秘剣口伝

新宮正春「秘剣口伝」を読んだ。

秘剣口伝

秘剣口伝

何となく図書館で手に取った本である。
題名が少々安っぽい感じがしたが、
実際読み始めてみると、
何とも面白く一気に読み終えてしまった。
剣豪ものの6つの短編から成っている。
最後の「御庭番新六」というのは分からないが、
残り5編に登場する人物は全て実在だ。
宝蔵院流槍術高田又兵衛
二階堂流平法の松山主水、
神道無念流の斉藤弥九郎、
中西派一刀流の高柳又四郎、
薬丸示現流中村半次郎
いずれも日本武術の世界では有名人である。
どの話も技術的な面が詳しく書かれていて、
武術マニアを納得させてくれる。
少々失礼な言い方だが、
思わぬ拾い物をしたような、
お得な小説であった。
この作家の他の本も読んでみたいと思う。