黄土の疾風

深井律夫「黄土の疾風」を読んだ。

黄土の疾風

黄土の疾風

生徒さんが本を貸してくださった。
中国を舞台にした経済小説である。
中国の農業の状況を変えたいと考える主人公が、
投資ファンドを立ち上げる。
酒造メーカーも関わる家族問題、
主人公の恋人や中国の民族問題も絡んでくる。
何となく読み始めたが、
案外面白くあっという間に読み終えた。
作家は大阪外大で中国語を専攻し、
中国で勤務経験もある人らしい。
中国を扱った多くの小説が上っ面だけで陳腐な中で、
さすがに中国について詳しく深く描かれている。
主人公および周辺の人々が理想的に過ぎる感はあるが、
作家の中国に対する思いが感じられる、
読み応えのある小説であった。