津本陽「拳豪伝」を読んだ。
- 作者: 津本陽
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1988/11
- メディア: 文庫
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「拳骨和尚」と呼ばれた不遷流柔術開祖である、
武田物外を主人公にした歴史小説である。
一言で言えば「痛快」に尽きる話である。
物外は武士の子に生まれたが、
幼時のケンカで人が死んでしまって僧になる。
持って生まれた人間離れした怪力に加え、
剣術や柔術を修行する。
横暴な武士やヤクザを懲らしめ、
新撰組の近藤勇や土方歳三などを手玉に取る様子は、
まさにヒーロー物語の主人公である。
面白いのは、
様々有るこの物外のエピソードが、
大昔ではなくて幕末にあったせいで、
まだ具体的な話や史跡が残っている事実だということだ。
何となく手に取った小説で、
こんなに楽しめるとは思わなかった。