春を背負って

笹本稜平「春を背負って」を読んだ。

春を背負って

春を背負って

山小屋の主人が主人公である。
親が経営してきた山小屋を、
脱サラした息子が引き継ぐ。
父親のワンゲル部の後輩が相棒になり、
自殺願望のある女性が救われてスタッフに加わる。
山小屋を巡って、
都会生活とは隔絶された人々の、
生きる姿が描かれている。
これはいかにも映画かドラマになりそうだ、
と思っていたら、やはり映画化されるようだ。
これまで山小屋の経営というのがどういうものか、
イメージが湧かなかったが、
この作品で少し分かった気がする。
私は登山はしないし、
山で生活するのはとても無理だが、
おそらくそこにはストレスに満ちた都会生活とは、
全く異なる生き方があるのだろう。
少しうらやましい感じがした作品であった。