- 作者: 葉室麟
- 出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング
- 発売日: 2009/01/26
- メディア: 単行本
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福岡藩の支藩であった秋月藩の話である。
絶えず支藩を取り込もうとする福岡藩の陰謀にさらされ、
経済的にも困窮している小藩にあって、
後に中老にまでなって藩内の政治に関わる主人公、
間小四郎を中心として周囲の人々や藩について描く。
主人公の成長と友人達との友情、
周囲の女性たちの運命や藩の黒幕達など、
江戸時代の小藩の内部事情や人間模様を、
このように時代の変化とともに細かく描いた作品は、
これまでほとんど読んだことがなく、
大変興味深く、またとても読みやすい良い作品であった。
私としては、
ふとしたきっかけで主人公の終生の友人となる、
柔術の達人藤蔵の存在が魅力的に思える。
この作家の作品をまたいくつか読んでみたいと思う。