北の海

井上靖「北の海」を読んだ。

北の海(上) (新潮文庫)

北の海(上) (新潮文庫)

これは井上靖の自伝的小説と言われている。
井上靖の作品を読んだのは、
中学時代の「天平の甍」や「蒼き狼」以来である。
天平の甍 (新潮文庫)

天平の甍 (新潮文庫)

蒼き狼 (新潮文庫)

蒼き狼 (新潮文庫)

これら歴史物と異なり、
自伝的小説というだけあって、
台詞や状況描写が細かい。
とても同じ作家が書いた物と思えないほどだ。
なぜ突然井上靖作品を読んだかというと、
「七帝柔道記」の影響である。
七帝柔道記

七帝柔道記

井上靖は金沢大学の柔道部だったらしく、
七帝柔道の寝技中心柔道に関して描かれているからである。
読んでみると、
確かに柔道に関して書いてあったが、
思っていたほどのボリュームもなく、
全般的には方向の定まらない青春時代の葛藤が中心の話であった。
それでもこの時代の学生気質を伺える作品であった。