入院生活(8)

手術の翌日になり、
身体につけられていた物が、
徐々に外されていくのは、
とても解放感があった。
看護士さんが腹に聴診器を当て、
腹の中の動きを確認すると、
水を口に含むことを許される。
その後、尿管に入れられた管を外すことができ、
自分の排尿できることの嬉しさを味わう。
エコノミー症候群予防として、
膝から下に履かされていた靴下を脱げるようになる。
そして食事をとれるようになると、
人生初の体験だった点滴を外せるようになる。
普段自分が当たり前にしている日常の動作を、
自由に行えるというのは、
実はたいへん幸せなことなのだということを実感した。
夕方に様子を見に来た医師には、
「明日か明後日には退院できるでしょう。」
と言われた。