入院生活(5)

しばらくすると、
さすがに麻酔が効いてきたようである。
足が動かせなくなってきた。
ただ、患部と周囲の冷たさについては、
やはりあまり変わらないという気もする。
しかし、患部への麻酔は確実に効いている、
という医師の判断のもと、手術は始まった。
執刀する医師は2人、看護師も2人であった。
目の前に布のついたてみたいなものがあり、
私は胸より下が見えないようになっている。
少し剃毛され、パンツも脱がされ、
尿管に管も入れられた。
これらは、
医師の説明がなければわからず、
全く感覚がなかった。
完全に麻酔が効いたということである。
しかし執刀が始まると、
チクッとした鋭い痛みを感じた。
わずかに煙のようなものが見えたので、
おそらく電気メスなのだろう。
全く痛みを感じないと思っていたのに、
案外痛いのには少々参った。