入院生活(4)

手術室に入る前、
上半身の服を脱いで、
手術用の薄い服を着る。
担当の看護師が2人来て、
名前、生年月日、
患部の方向を示すための手の甲に描いた印など、
いろいろと確認される。
そしていよいよ手術室に入る。
担当の医師がやってきた後、
まず胎児のように丸まった姿勢を取り、
腰椎麻酔が行われる。
想像していたほど痛くはない。
5分ほど待って、
「足の指を動かせますか?」
と言われるが、まだ動かせる。
患部の周囲に冷たいガーゼをあて、
冷たさの感覚の違いを尋ねられる。
が、ほとんど違いを感じない。
足はスキー靴を履いたような、
分厚くなってきた感じがしてきた。
こうしたことを2回繰り返したが、
状態はあまり変わらない。
再度麻酔注射が行われる。
「2CC追加」
というような声が聞こえる。
「自分はあまり麻酔が効かないのだ」
という考えが頭をよぎる。
「痛い手術になるのでは」
と不安になった。