木原浩勝「九十九怪談・第一夜」を読んだ。
- 作者: 木原 浩勝
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2010/06/25
- メディア: 文庫
- クリック: 2回
- この商品を含むブログ (3件) を見る
怖い話ももちろん多いが、
不思議な話もたくさんある。
17話の「いがいとかしこい」など、
昔話の「サトリ」や狐狸妖怪を思い出させるし、
51話の「大仏様」という、
大仏と一緒に風呂に入る話などは、
不思議でユーモラスにさえ思える。
しかし、私にとっての白眉は、
6話以降の「鎖の音」、90話の「お願い」、
94話以降の「のんちゃん」である。
「鎖の音」は不思議な飼い犬の忠誠心が愛しいし、
「お願い」と「のんちゃん」は、
輪廻の不思議さを感じさせてくれる話である。
かなり楽しめた本であった。