損料屋喜八郎始末控え

山本一力「損料屋喜八郎始末控え」を読んだ。

損料屋喜八郎始末控え (文春文庫)

損料屋喜八郎始末控え (文春文庫)

少し前にブログで紹介した「赤絵の桜」が第二作で、
http://d.hatena.ne.jp/tanglou/20130411
今回のものは第一作である。
寛政の改革の時代に、
元同心である主人公喜八郎の事件物である。
第一作は当時の幕府が出した、
借金棒引き制度である棄捐令を巡る混乱が中心で、
完全無欠の主人公の活躍より、
当時の銀行家である札差の伊勢屋、笠倉屋、米屋などが、
暗躍する様子の方が印象が強い気がする。
これもやはり今までの時代物と少し異なり興味深い。