血涙

北方謙三「血涙」を読んだ。

血涙(上)

血涙(上)

以前に読んだ「楊家将」の続編である。
楊家将〈上〉

楊家将〈上〉

今回は、登場人物描写により力を割いている。
戦いの中で敵の捕虜となり、
記憶喪失のまま敵国遼の王家の娘と結婚し、
さらには敵国の将軍となって兄弟と戦うという、
あまりにドラマチックな楊四郎が主人公である。
楊家一門の生き残りである楊六郎、七郎、九妹、
また楊四郎の親のような存在となる、
遼の将軍耶律休哥も魅力的である。
この小説で描かれていることが、
どこまで史実に忠実なのかわからないが、
息もつかせぬ展開で一気に読んでしまう、
面白い小説である。