研ぎ師太吉

山本一力「研ぎ師太吉」を読んだ。

研ぎ師太吉

研ぎ師太吉

一流の研ぎ師である主人公が、
殺人事件に巻き込まれた娘を助けるために、
周囲の人たちの助けを得て活躍する時代小説。
警察物、刑事物をけっこう読んできて、
少々食傷気味になり、
もっと穏やかなものを読みたいと思って、
ここのところ人情時代小説を読み始めた。
ところが、時代小説でもこういう事件物になると、
ついつい引き込まれて読み進んでしまうのだから、
自分はつくづく事件物が好きなのだと思わされる。
しかし、これら山本一力作品を読んでいると、
江戸期の情緒を味わえると共に、
古い日本の職人のこだわりがうかがえて、
何か誇らしいようなうれしいような気がする。