長城のかげ

長城のかげ

長城のかげ

宮城谷昌光「長城のかげ」を読んだ。
漢の祖劉邦の周辺の人々を描いた5つの短編である。
項羽配下から劉邦の配下になった将軍である季布。
劉邦の幼なじみでずっと付き従い、後に王となる廬綰。
儒者劉邦のために外交手腕を発揮する陸賈。
劉邦の妾腹の子で、後に斉王となる劉肥。
儒者受難の時代から生き延びて、
漢の制度を作る国の儒者となる叔孫通。
このうち季布だけは、
以前陳舜臣の「中国任侠伝」を読んで、
「季布の一諾」という言葉は知っていた。
中国任侠伝 (徳間文庫)

中国任侠伝 (徳間文庫)

しかし、それ以外は初めて知る名前ばかりで、
また多様な人々の人生の生きざまを知ることができた。
たいへん面白く、充実した小説であった。