花の歳月

宮城谷昌光「花の歳月」を読んだ。

花の歳月 (講談社文庫)

花の歳月 (講談社文庫)

前漢の時代、
貧しい家に生まれながら、
運命により漢の皇帝の妻となり、
さらには次の皇帝の母となる女性を主人公とし、
同じ家に生まれて、
その姉の弟として育つが、
子供の頃に人さらいにさらわれ奴隷となり、
後に皇后になった姉と再会する、
という感動的な物語である。
再会の場面はやはり涙を誘われる。
この時代は、自分の努力云々よりも、
運命に翻弄されていた時代なのだと感じる。
権謀術数が渦巻き、
硬骨漢が登場する事の多い宮城谷作品にあって、
優しく悲しく感動的な小説であった。