あぽやん

新野剛志「あぽやん」を読んだ。

あぽやん (文春文庫)

あぽやん (文春文庫)

生徒さんがこの本を貸してくださった。
旅行会社の空港支所に勤める主人公が、
貧乏くじの配属と思っていた場所で、
日々の業務の中で成長する話である。
こう書くと、いかにもありがちな設定だなと思う。
確かに読み始めはそう思った。
この作家の作品を読むのは初めてだし、
どういう作品を書くのか知らなかった。
案外薄っぺらい内容なんじゃないかと思っていた。
ところが、実は面白い。
仕事の内容や上司や部下など社内の人間関係も、
細かくリアルに描かれているので、違和感がない。
例えば、何となく苦手な関係会社の人がいても、
日々の仕事や飲みに行くことで、
いつの間にか壁が無くなっていることがある。
私にもサラリーマン時代似たようなことがあった。
このように、いつの間にか物語に引き込まれてしまう。
この作品の続編もあるようだし、
全然異なるタイプの作品もあるようだ。
それも読んでみたいと思える面白い作品であった。