利休にたずねよ

山本兼一の「利休にたずねよ」を読んだ。

利休にたずねよ

利休にたずねよ

家内が図書館で借りた物を読んでいて、
「面白い」と勧めてくれたのである。
美に対して異常な執着と才能がある、
千利休が主人公の話である。
章ごとに時代や関わる人が変わり、
その中で茶や利休の人間が浮かび上がる。
どんどん読み進んでしまう。
確かに大変に面白かった。
私は茶道には全く縁がなく、
どんなものなのかもさっぱりわからない。
生徒さんでこれまで茶道をされている方に、
何度もお会いして話を聞いたが、
それでも何のためにそれをするのか、
それをしてどうなるのかがわからなかった。
しかし、この小説の中で、
利休が家康や秀吉やその他様々な人に対し
茶を点てる描写を読んでいると、
利休の茶席を体験したくなってくるのだから、
この作家の筆の力は相当なものだ。
実際の利休がどうだったのかはわからないが、
ともかく素晴らしい小説であった。