久しぶりに、
友人であり直木賞作家である朱川湊人氏の
新作を読ませて貰った。
「箱庭旅団」がそれである。
- 作者: 朱川湊人
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2012/06/08
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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これまでの作品といささか異なるのは、
「いわゆる怖い話ではない」、
「昭和レトロ風ではない」、
「幻想的雰囲気が濃厚である」、
といったところだろうか。
かつての秀作「かたみ歌」のように、
16の短編がつながっていることが、
読み進むにつれてわかってくる。
- 作者: 朱川湊人
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2008/01/29
- メディア: 文庫
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「オツベルと象と宇宙人」は、
もちろん宮沢賢治の「オッペルと象」のパロディであるが、
そのユーモラスな感じが目に浮かぶようだ。
朱川くんは学生時代から、
「オッペルと象」の独特の語り口を気に入っていたようで、
よく我々友人同士の会話の中でも出てきていた。
「クリスマスの犬」は現代世相を反映しているが、
気持ちが救われる作品である。
そして「黄昏ラッパ」は、
涙が出そうになるような悲しく感動的で温かい作品である。
心にじわっと染みこんでくる新しい朱川作品を、
ぜひ多くの人に読んでいただきたいと思う。