防波堤

今野敏「防波堤」を読んだ。

防波堤 横浜みなとみらい署暴対係

防波堤 横浜みなとみらい署暴対係

暴力団対策係の刑事の話である。
相棒とそれぞれ特徴ある4人の部下との関係や、
情報屋としての組長との関係もいい。
犯罪を扱うわけだから決して明るい話ではないが、
この人の作品は読んでいる読者が暗くならないのがいい。
作家本人の正義感や人生観が反映されているのだろう。
他の作品にも書かれていたが、
主人公の考え方として、
現代社会の諸問題に対してはっきり正論を述べているのもいい。
私にとって小説を読むのは完全な娯楽であって、
あまりにえげつないものや救いがないものは読みたくない。
その点、今野作品は安心して読める。