高円寺純情商店街

ねじめ正一高円寺純情商店街」を読んだ。

高円寺純情商店街 (新潮文庫)

高円寺純情商店街 (新潮文庫)

昔からこの作品の名前は知っていた。
今回読む気になったのは、
子どもの中学国語の教科書に載っていた抜粋を読んで、
興味をそそられたからである。
作者は詩人らしい。
そのせいだろうか。明らかに他の作家とは違う。
描写が細かくてリアルで、
言葉や台詞が違和感なくこちらに伝わってくる。
内容の情景がありありと浮かんでくる気がする。
字を読んでいると言うより、
作品に入ってしまっている感じさえするのである。
すごい筆の力だと思う。
大事件があるわけではない、
小学生から見た日常が淡々と描かれている。
描かれている昭和の家族や近所の雰囲気もいい。
これは大変素晴らしい小説だと思う。