臨界

今野敏「臨界」を読んだ。

臨界 潜入捜査5 (ジョイ・ノベルス)

臨界 潜入捜査5 (ジョイ・ノベルス)

何となく
今野敏の警察ものあるいはアクションものを読みたいと思い、
見つけたのがこの作品であった。
原子力発電所を巡る不正に対し、
刑事が潜入捜査を行い、実態を暴き解決に導くという話である。
1994年に書かれた作品であるとのことだが、
書かれた当初は現在ほど原発も注目を浴びていなかっただろう。
不法滞在の外国人を使い危険な仕事につかせる原子力発電所
利権を守るために暴力団を使い反対派を押さえる推進派など、
現実でもこのようなことがおそらくあったのだろうと思わせる。
古流武術を使う主人公と戦う敵役の中国人武術家が登場するが、
この中国人武術家が使う武術が八極拳になっている。
相変わらず今野敏の格闘描写はリアルでいいと思うが、
八極拳についての描写は、
やはり「山嵐」で出てきた李書文の迫力には及ばない。
山嵐 (集英社文庫)

山嵐 (集英社文庫)

いずれにせよ、様々な面で楽しめる小説であった。