見える人(2)

これまでお会いしたことのある人の中で、
いわゆる「見える」という人たちがいたが、
他人を納得させられるほどの説得力を持つ人は、
2人を除いていなかった。
そして、その2人のうち1人は生徒さんで、
働く主婦で楽器もたしなむ明るい人であった。
話を聞くと、
子どもの頃に、例えば階段を上っていると、
自分の目の前をトントンと上がっていく足だけが見えたりしたらしい。
成長するにつれ、その感覚がなくなって忘れていたが、
社会人になってから、会社の中にとても嫌な人がいて、
「なぜこの人はこんな嫌な人なんだろう?」
と思ったとたん、
突然ざーっとその人に関する情報が頭の中に入ってきた、
とのことであった。
それからいろんなことがわかるようになったそうだが、
怖くなって、あるお坊さんについて修行するようになったそうだ。