池波正太郎の「剣の天地」を読んだ。
- 作者: 池波正太郎
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2002/01/24
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剣聖と呼ばれ、
柳生石舟斉、疋田文五郎、丸目蔵人、小笠原源信斉など、
名だたる剣豪達を育てたことで知られている。
剣の技術や境地を描いたものとして、
読むのを楽しみにしていたが、趣が違っていた。
背後の時代や家族、一国一城の主としての姿勢など、
様々な面から描かれていた。
どの程度までが史実なのかわからないが、
上杉謙信らと共に戦う戦国武将であったことや、
塚原卜伝に師事したことがあること、
情け深く穏やかな人柄であったことなど、
初めて知ることも多かった。
黒沢映画の代表作「七人の侍」の志村喬演じるところの
主人公勘兵衛が僧形になって泥棒から子どもを救い出すエピソードは、
上泉伊勢守の逸話であったこともわかった。
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やはり自分も剣をやるような研究者でないと
書けないのかも知れない。
その意味では期待はずれだったわけだが、
読み物としては楽しく読むことが出来た作品であった。