古典落語

先日のある土曜日の授業を終えた後、
生徒さんからお誘いいただき、
天満橋繁盛亭に落語を聞きに行った。
ここへ行くのは3年ぶりである。
前回もこの生徒さんの紹介で、
やはり落語を聞きに来たのであった。
今回は生徒さんの知り合いの桂三金さんという
落語家さんの独演会であった。
この人は元銀行員で、かつ体重100キロを超える巨漢で、
デブネタがかなり面白い落語家さんである。
以前来たときは創作落語だったが、
今回はこの人が1人で3つの古典落語を演じるのだ。
以前より何か安定してプロらしい感じがして楽しめた。
その間には、若手の落語家さんの演目や
女性芸人の人の腹話術があり、
また、兄弟子の桂小枝さんの「くしゃみ講釈」もあった。
テレビでもよく見る小枝さんは、
三金さんとは対照的に、
身体に脂肪があるのだろうかと思うほど痩せた人だった。
さすがにベテランらしく爆笑の連続であった。
私は子供の頃、自分で買った落語のレコードがあった。
これは笑福亭仁鶴の「青菜・くしゃみ講釈」であった。
[rakuten:hmvjapan:10059569:detail]
面白くて何度も聞いたので、ネタは今でもかなり覚えている。
小枝さんは、この落語で「胡椒」と「唐辛子」を間違えていた。
繁盛亭に落語を聞きに来るような人たちはもちろんよく知っていて、
客席から「間違えた!」と声が飛んでいた。
それを落語中の人物になりきって、「しっかりせえ」と言って
誤魔化すというかフォローする小枝さんもさすがで面白く、
客席はさらに笑いに包まれていた。
落語を満喫して帰途についたが、
仕事を終えた後、このように落語を聞きに行けるというのは、
何か忙しく慌ただしい日常生活の中において、
ゆったりして余裕のある時間を得られたような豊かさを感じることが出来、
落語の笑いとともに、それが何よりの精神的栄養になった気がする。