太極拳その後(10)

八極拳研究会大阪支部には、1年と少しお世話になった。
通えなくなったのは、
専門学校の仕事で、
日曜日に生徒募集のイベントにかり出されるようになったためである。
その専門学校では、講師のリストラも大量に行い、
苦しい経営状態から抜け出そうと躍起になっていた。
ほぼ毎週日曜にオープンキャンパスを行い、
お盆を除く夏休みには毎日のようにそうしたイベントがあった。
そこでは講師が模擬授業を行うのである。
私はそういうイベント参加に対して、
逃げ回っていたのだが、他の先生方はみんなやっているからと言われ、
どうにも逃げられなくなってしまったのである。
それでも専門学校の暇な時期には、
また練習に行けるだろうと思っていた。
ところがそうした矢先、以前にも書いたが、
鼻血がたびたび出て止まらないという状態になってしまったのだ。
しばらくは激しい運動を出来なくなってしまった。
最後の練習の時には、
先輩と同期の人が喫茶店で軽いお別れ会的なものを開いてくださった。
練習に行けなくなったものの、
歴史ある大変貴重な技術を学べたわけだから、
私は今でも忘れないように、家で練習している。
また先輩達もたまに連絡をくださる。
丁寧に、また一生懸命に教えてくださった先輩方には、
本当に感謝している。
そして、社会人になってからも、
このように仕事や利害に関係なく、
気持ちのよい人間関係を持てたことに、
私は心から感謝している。