有名な先生

昨日の授業でのこと。
入門クラスの1人の生徒さんは、
学生時代に中国語を学んだ経験があるという。
それも習った先生が有名な先生であったそうだ。
生徒さんが通われていたのは明治大学で、
先生は王育徳先生という。
私は書店でこの先生が書かれたテキストがあるのを知っていた。

台湾語入門

台湾語入門

しかしさらに、愛読していた邱永漢作品によって、
その先生のことを詳しく知っていた。
戦後、台湾の国民政府の弾圧で兄を殺された先生が日本に亡命したが、
許可されなかったのを何とか動かそうと、
世論に訴える意味で邱永漢さんが書いた小説がある。
それが「密入国者の手記」であり、邱さんの処女作である。私自身はお会いしたことはないが、
生徒さんの話によると、
「現代中国標準語」のことを「北京官話」と呼び、
発音に厳しい老先生だったそうだ。
本で読んで知っているだけの有名な先生のことが、
生徒さんの口から聞けたちょっと驚いたことであった。