転身

かつて一緒に中国語を学び、共に遊んだ友人から
久しぶりに会おうとメールがあった。
梅田の喫茶店で数時間話し、
彼は新幹線に乗って千葉に帰って行った。
頭が少し薄くなり、年齢を感じさせるところもあったが、
話し出すとすぐに昔の調子に戻り、懐かしい話もできた。
彼とは、専門家養成を目指すある中国語教室で出会った。
そして偶然共通の友人がいることを知って、
それから数年他の仲間も加わって仲良くさせてもらった。
ある時、仲間の一人である整体師に身体を診てもらうと、
内蔵がかなり悪いことがわかり、
彼は厳密な菜食を中心とする食事療法と運動療法をすることにした。
真面目にそれらを実行した彼は、
精神も身体もどんどん変わっていき、
ついには勤めていた会社を辞め、
千葉へ行って介護の仕事に就くようになった。
そして現在までそれが続いている。
介護の仕事の辛さは、離職率が高いことからよく知られている。
しかし他の人が辞めていく中、彼はずっと同じ職場で働いている。
独身であることも要素としてあるだろうが、
彼を支えているのは実直な性格と、
食事によって変わった彼の精神と身体だろう。
食事内容は人を変えてしまう大きな要素だという。
私にはとても真似できないが、
彼はまさにその格好の実例であると言えるだろう。