姿三四郎

昨日書いた「山嵐」というのは、
西郷四郎の得意技の名前であった。
また、西郷四郎姿三四郎のモデルであったと書いた。
思えば、私が最初に中国に行った1980年代には、
日本のドラマが流行っていた。
いわゆる「赤いシリーズ」で山口百恵は不動の地位を築き、
アニメの「一休さん」も大人気でテーマ曲もあちこちで聞かれた。
後に日本に来た中国人に、
「どこに行きたいですか?」
と尋ねると、
一休さんのお寺に行きたい。」
という答えが返ってきたほどであった。
その中で、やはり大変な人気を誇っていたのが、
竹脇無我主演のドラマ「姿三四郎」であった。
中国語で「どうぞよろしく」というのを「請多関照」というが、
こうした言い方はそれ以前にはしなかったのが、
このドラマでこの表現が広まったのだという。
それほど社会への影響は大きかったと言うことである。
当時の中国では、テレビ放送はある程度時間が限定されていて、
チャンネルやCMも現在とは比べものにならないほど少なかった。
様々な制限が多く、メディア関連の娯楽も少ない当時には、
日本のドラマは新鮮さと面白さで大変な支持を得ていたのだ。