無音

新学期が始まってから、
忙しいせいもあってか朝4時半に起きられず、
ここのところ犬の散歩をさぼっていたが、
今朝は起きて散歩に行くことが出来た。
朝まだ暗い道を歩いていると、
いつもと違う感じに気付いた。
まったくの無音状態だったのだ。
いつもは、鳥の声、虫の声、
家の門や雨戸やシャッターなどを開ける音、
遠くで聞こえるパトカーや消防車のサイレン、
車の走る音などが必ずしているのだ。
ところが、今日の散歩では、
一緒に歩く犬もなぜかじっとしていて、
道ばたのニオイをかいでいる。
その間、まったくの無音であった。
まもなく向かいから自転車が来たので、
無音が破られたが、またすぐに戻った。
かつて中学生時代、友人と奈良の飛鳥に行ったときに、
自転車で遺跡巡りをしていて、
途中の道で停まっていると、
やはりまったくの無音状態を経験したのを思い出した。
考えてみれば、ことほど左様に、
無音状態というのは日常で感じることが
めったにないものなのだ。
なぜか少し得をしたような気がした。