駐在(1)

今回の台湾行きで、
2人の友人に会うことになっていた。
到着翌日に会ったのは西尾君で、
サラリーマン時代の同期である。
同じ寮で3年間共に暮らした仲である。
ずっと経理畑を歩んできた彼は、
イギリスなどの国に駐在経験を持っていた。
今回は台湾赴任となったが、
私が会ったのは赴任後わずか1週間の時であった。
彼は前任者との引き継ぎと、
連日にわたる関係者との挨拶の宴会続きで、
少々疲れているようだったが、
数十年ぶりに会う私とは懐かしい話に花が咲いた。
受験期の子どもの年齢を考えて、
単身赴任を始めた彼だったが、
台湾及び中国大陸の関係会社では、
取締役にあたる「董事」という立場である。
しかし不況の折から、
移動の飛行機もエコノミーを使わなければならないそうだ。
駐在人員も人数を減らす傾向にあるという。
それでも今後3年から5年の駐在の予定で、
色々な意味で日本に近い台湾は、
過ごしやすそうだと語っていた。
状況が落ち着いたら、
中国語の学習を始めるつもりだとのことであった。