幸と不幸

昨日、父の妹である叔母に会いに行った。
叔母は現在特別養護老人ホームにいる。
生まれて間もない時期に高熱が出て、
処置が遅れたことで知的障害をもつに至った。
ごく基本的な会話は可能であるが、
複雑なことは理解できず、
身の回りの家電製品の操作などはできない。
2ヶ月に1回ほど親族が面会に行くのだが、
今回は私が行くことになったのだ。
緑が多い広い施設で、同じ境遇の人たちといて、
以前いた病院よりは、叔母は元気で幸せそうだった。
本当のところは知るべくもないが、
少なくとも我々にはそう見えた。
昨日はテレビで、身寄り無く孤独に死んでいく人の
「無縁死」という実情について番組をやっていた。
先日の新年会では、
生徒さん達のそれぞれの抱えているものについても話が出た。
おそらく問題を抱えることなく暮らしていく人など皆無だろう。
小学生の時に読んだ本に、ヨーロッパのある地方で、
障害を持つ人が家族にいる場合、
その人が家族の不幸を一身に背負ってくれているので、
家族は幸せでいられ、その人も家族から大切にされる、
という話が紹介されていた。
そうなのかもしれない。
うちも実は様々な問題を抱えている。
しかし私自身は、我が家を概ね幸福であると考えている。
自分が幸か不幸かは、客観的事実ではなく、
本人が感じ決めるものだともいう。
現実をしっかり見つつ、前向きに生きていきたいと思う。