私の配属になった部署は商務課業務係で、
メンバーは私を入れて4人。
定年まであと数年という男性主任のもと、
30代前半の男性社員、私と同い年の女子社員がいた。
主任は穏やかな人で、
要領がよく飲み込めていない私の失敗を、
よくカバーしてくださった。
時代はちょうどバブル期である。
課長もそうだったが、
この主任もアパートを所有しておられ、
家賃収入を得ておられた。
私がかつて「老後の心配がなくていいですね。」
というようなことを言ったとき、
「家賃を滞らせたり、変な店子もいるので楽じゃないよ。」
と言っておられた。
いつも落ち着いて淡々と仕事をこなしておられた。
今でもその温顔が目に浮かぶ。