発散

日本人学生に中国語を教える専門学校で、
中国語科のボスは中国人女性の先生である。
昼休み時間など、この先生と話す機会がある。
その時には「この学生はこんな問題がある」だとか、
先生のお子さんの受験の悩みなどを聞いたりもする。
日本語で話すこともあるが、他の先生もいるので、
他聞をはばかる場合などは中国語で話す。
先生はそのようにひとしきり悩みを話すと、
とりあえずすっきりするらしい。
「私たち女性は愚痴を言うとすっきりするけど、
先生は男性だし、そういうことはないでしょう?」
と言われる。
確かに私は愚痴は言わない。
というより、特に愚痴は言わないよう心がけている。
それもあるが、「愚痴を言うとすっきりする」
というのが、私には理解できない。
「悩み事を人に聞いてもらうと、それだけで心が軽くなる」
という話もよく耳にする。
それもよくわからない。
悩みの解消というのは、
自分の行動や状況の変化でその悩みが解消するか、
自分の考え方を変えることで解消する。
まあ、私にすれば、先生の愚痴を聞いて、
それなりに答えるのは中国語の練習になるので、
それはそれで意義あることなのである。